「うんこ漢字ドリル」が大ヒットしています。
「うんこ漢字ドリル」は、小学生向けの漢字学習のドリルです。
小学校一年生~小学校六年生まで、すべての学年に向けたドリルで、2017年3月に文響社発売されました。
結果、2017年5月までに累計100万部売れる大ヒットを記録。
漢字学習の本は普通なら「数千部売れればいい」と言われるジャンルです。
異例の大ヒットと言えるでしょう。
だからこそ「なんで『うんこ漢字ドリル』が売れるんだろう?」「例題、例文などの中身が見てみたい」「学習の効果はちゃんとあるの?」など、様々な疑問を持っている人が増えているようです。
そこでこの記事では、「うんこ漢字ドリル」が売れる理由や中身、効果や評判について調べてみました。
〜もくじ〜
例題・例文などの中身を紹介

さて、まずは「うんこ漢字ドリル」の中身を見てみましょう。
小学年、中学年、高学年の例題をそれぞれ紹介しますね。
以下のページは、うんこ漢字ドリル公式Twitterで公開されている文面です。
小学校2年生向けの例文
【雲】(小学2年生)
1.うんこの形の雲を見つけたよ。
2.雲海をながめながら、うんこをする。
3.雨雲からうんこがふってきた。#うんこ漢字 #うんこ漢字ドリル pic.twitter.com/nnLdA736hF— うんこ漢字ドリル (@unkokanji) 2017年5月16日
「雲」という漢字を覚えるための例題として、あの手この手でうんこを文章に入れていますね。
「うんこの形の雲」、「うんこをする」という現実的な例文2つの後に、「うんこがふってきた」というトンデモない現象が発生。
オチのようになっていて、構成も見事です。
小学校3年生の例文
【君】(小学3年生)
1.山本君から、おもしろいうんこのやり方を教えてもらった。
2.君主のうんこを守るために命がけで立ち向かった戦士。
3.うんこのスピードだけは君に負けたくない。 pic.twitter.com/Kc8loNfFYf— うんこ漢字ドリル (@unkokanji) 2017年5月10日
「おもしろいうんこ」「スピードだけは負けたくない」「立ち向かった戦士」と、こちらはなんとなくゲーム系を思わせる例文です。
3年生くらいはちょうどゲームにハマっていく時期ですから、そこも考慮されているのかも知れません。
小学校6年生向けの例文
【窓】(小学6年生)
1.窓の外をうんこが飛んでいった。
2.窓辺に座ってうんこの詩集を読む。
3.同窓会でみんなが当時のうんこを持って現れた。#うんこ漢字 #うんこ漢字ドリル pic.twitter.com/PbQhZ4Jhrk— うんこ漢字ドリル (@unkokanji) 2017年5月15日
高学年になると、複雑な漢字が使えるので詩的な文章も増えますね。
卒業を思わせる「同窓会」などの単語も登場。
ただ、「当時のうんこ」というシュールな場面です。
うんこ漢字ドリルはなぜ売れる?
では、こうした「うんこ漢字ドリル」ですが、なぜ売れるのでしょうか?
結論から言えば、「子供が好きになるし、大人も買ってあげたくなる本だから」という理由で売れているのですが、もう少しヒットの要因を分析すると、以下の点が考えられます。
[aside normal”]
・そもそも、小学生は、心理的リアクタンス効果でうんこが好き
・大人は、なんでもいいから子供に勉強をさせたい
・子供が珍しく積極的に興味を持つ教材なので売れる[/aside]
小学生がうんこが好きを愛する理由
まず、小学生はうんこが好きです。
特に、男子は「うんこ」などの下ネタが好きな傾向にありますね。
理由は複数あるはずですが、見過ごせないのが心理学でいる「心理的リアクタンス効果」です。
これは、簡単に言えば「禁止されるとやりたくなる」というもの。
人間は自由を求める生き物なので「やるな」と言われると反射的に「いやだ、やりたい!」と思うのです。
その点うんこは「下品なことを言うのはやめなさい!」と大人にに叱られる単語の筆頭。
だからこそ、「うんこと言いたい!」と思うわけです。
大人はなんてもいいから勉強させたい
一方、親は「なんてもいいから子供に勉強させたい」と思っている方が多いです。
筆者の私自身、子供の学習教材に関する仕事をしていた経験があります。
その時の親御さんの意見としてこういった意見が多くありました。
「楽しい勉強でも、詰め込み勉強でも、スパルタ勉強でも、とにかくなんでもいいから、勉強させたいんです」
将来の学歴のためと、地頭の良さのために、基本的に親は子供は勉強をさせたがります。
「本当はより良い方法で、楽しみながら勉強して欲しい」という想いももちろんあるはずですが、子供は刻一刻と成長していきます。
細かい勉強方法を検討をしているうちに、毎日大きくなっていってしましまうのです。
ですから、「もうなんでもいいから、勉強させたい」と手段は問わない姿勢の親御さんが多くいます。
子供が興味をもつ学習本
「うんこ漢字ドリル」は、そんな勉強させたい親と、うんこが好きな子供の特性が見事に噛み合った商品だと言えるでしょう。
子供は心理的リアクタンスのためにある種の反抗として「うんこ」に興味を持ちます。
漢字ドリルなど学習の教材とセットで提示されると、なおさらギャップを感じて、オモシロがるでしょう。
大人は、子供が勉強すればなんでもいいわけなので、それを購入してあげます。
購入した後も、子供は面白がって「うんこ漢字ドリル」を開いて読み、大人はそれを褒めます。
褒められて嫌になる子はいませんから、「うんこ漢字ドリル」の場合は、実際にやってみる子も多いのです。
もちろん、買っただけでやらない子も存在しますが、それはすべての学習教材に共通していること。
「うんこ漢字ドリル」の実践率の高さは評価されるべき点でしょう。
うんこ漢字ドリルの効果と評判は?
そんな「うんこ漢字ドリル」の効果や評判はどうなのでしょうか?
効果がなかったら意味がないので、気になるところですよね。
ネットでのレビューの傾向をまとめると、以下のような感じでした。
[aside normal”]
・子供の食いつきは高い
・実際に取り組む子も多い
・学歴の効果はさほど高くないかも知れない
・今まで勉強しなかった子は、ドリルで成績が伸びている[/aside]
子供が自ら興味を持ち、勉強するようになったというのは紛れもない真実です。
ただ、「うんこに興味を持っているだけなので、さほど覚えていない」「テスト形式ではないので、記憶に残っていないこともある」というデメリットもあるようです。
とはいえ、今まで全く漢字の勉強をしなかった子は、以前より漢字を覚えたという報告もあります。
(学習時間がゼロから数十分単位で増えたのですから、当たり前ですね。)
amazonの口コミレビューの一部を引用します。
息子は大ウケ。
楽しみながらやっているので、親的にもOKかなって感じです。
でも、うんこドリルだけあってもちろん下品です。
子供も喜んで、すぐに漢字練習を始めました。
練習しながら、「ランドセルにうんこだって(笑)」と笑っています。
楽しんで漢字が覚えられそうなので、買ってよかったと思います。
友人の子に買い与えた後日、
「さんすうもやる」と言い出したそう。ほーら、いい傾向。
学習習慣ができて、算数もやるようになったという書き込みがありますね。
一方で、「下品ではないか」「うんこに興味を持っているだけで、学問に興味を持っているわけではない」という批判的な評判もあります。
また、子供の中にも「うんことか汚い教材のは恥ずかしい」とリアクションした子もいるようです。
子供が欲しがってから購入した方がいいでしょうね。
「うんこ漢字ドリル」は、今まで学習習慣がなかった子のキッカケの1つだと捉えた方がいいかも知れません。
うんこ漢字ドリル まとめ
というわけで、うんこ漢字ドリルについてでした。
ポイントを整理すると
・うんこ漢字ドリルは、100万部の大ヒット
・小学校の全学年のドリルがあり、例文には必ず「うんこ」が入っている
・売れる理由は、「禁止されるとやりたくなる子供心」と「とにかく勉強させたい親心」がマッチした結果
・勉強のキッカケになる効果はあり、成績が伸びた報告も多数
・ただし、テスト形式の質は高くなく、漢字自体はさほど覚えられないという声も
ということですね。
受験を目指すような子には向きませんが、「全然勉強しない」子には使える道具になりそうです。
値段も千円ほどですので、試してみる価値はあるでしょう。