健康オタクの間で話題になっているエクオール。
「肌が若返る」「ガン予防になる」「脳梗塞や動脈硬化にも効果がある」などと言われて、注目されている成分です。
エクオールのサプリメントや健康食品も販売されていますね。
全国の病院でも、体内のエクオールの検査ができる施設が増えていると言われます。
ただし、そんなエクオールに対し、必ずしも好意的な声ばかりではありません。
「ガン予防になるのは嘘」とか「副作用があるのでは」「デメリットもあるんじゃないか?」とも言われます。
実際のところは、どうなのでしょうか?
この記事では、エクオールの負の面や現実的についてまとめていきます。
そもそもエクオールとは?
そもそも、エクオールとは何なのでしょうか?
「身体にいいらしい」とは聞いたことがあっても、実体はよく分かっていないという人もいるのではないかと思います。
エクオールとは、腸内細菌と大豆イソフラボンによって作られる化合物です。
1932年には動物の身体から発見されており、特別新しく見つかったものではありません。
ただ、2013年前後から、「更年期の症状や肌のためにエクオールが効果的かも知れない」と言われるようになり、医学会で注目度が増していきました。
話題になったキッカケは、「人によっては自分自身でエクオールが作れない」という問題点です。
世の中には、腸内細菌と大豆イソフラボンで、自然にエクオールが発生する人がいます。
一方で、発生しない人もいる事実が判明しました。
この「個人差のある不平等」が、いい話のネタになり、世間で広まっています。
そして、その頃から、「自分でエクオールを作れない人は、サプリメントで摂ってはどうか」と言われるようになりました。
結果として、関連商品も増加。
尿検査でエクオールの量を調べるような病院も、増えています。
ガン予防の効果は嘘?
そんなエクオールの効果の中でも注目されているのが、ガン予防の効果です。
しかし、「エクオールのガン予防効果は嘘」という説もあります。
どちらが正しいのでしょうか?
結論から言えば「エクオールは一部のガンのリスクを下げる可能性がある」というのは、信憑性の高い情報です。
ですが「エクオールがガンを予防する」というのは、単純化しすぎて、嘘に近いのです。
どういうことか?
まず、エクオールが何でもかんでも全てのガンを予防するわけではありません。
効果がある可能性があるとされるのは、以下のようなガンだけです。
[aside normal”]
・乳ガン
・前立腺ガン
・甲状腺ガン[/aside]
こういったガンはホルモンの過剰分泌で起きやすいと言われます。
そうしたホルモンであるエストロゲンやアンドロゲンを適度に抑えるはたらきが、エクオールにはあります。
専門用語で説明すると「エクオールがエストロゲン受容体と結合する」「テストステロンがジヒドロテストステロンに活性化されることを抑止する」というようですが、このあたりは一般人には理解が難しいところです。
ようするに、ホルモンバランスがちょうどよくなる、ということですね。
だから、結果的には「ガンの予防効果が期待される」と言われるのです。
しかし、エクオールのガン予防効果は、まだ医学的に立証されてはいません。
仮説ですし、研究段階です。
また、乳ガンや前立腺ガンの原因は、ホルモンバランスだけではありません。
その上、人間には他にも数多くの種類のガンがありますよね。
さらに、一度なってしまったガンが治るわけでもありません。
と、考えるとエクオールは、あくまで「一部のガンのリスクを減らす」程度。
「ガンに効果がある」なんて言うのは嘘といっても過言ではありません。
エクオールのデメリットや副作用は?
ここまで、エクオールのガンの予防効果が「意外に小さい範囲しかない」ことを説明してきました。
「なんだ、リスクを減らす程度か」と思った人もいるかも知れません。
ただ、エクオールが無駄だと言いたいわけでもありません。
なぜなら、エクオールはデメリットや副作用が、さほどないからです。
現在確認されている、エクオールを摂るデメリットは以下のようなものです。
[aside normal”]
・食欲が低下することがある(満腹感が増すため。)
・経血が増えることがある[/aside]
深刻な症状というわけではありませんね。
食欲低下は、満腹感が増しているだけなので、不健康になってもいません。
つまり、エクオールは悪い点が少ないのです。
したがって、摂るメリットとデメリットを比較すれば、メリットが大きいのは事実。
決して万能薬ではないのですが、お金に余裕がある人がエクオールのサプリメントを試するのは、いいことでしょう。
「ちょっとでも更年期の症状が改善されたらいいかな」「多少のがん予防にもなるらいい」くらいの気持ちで摂るといいかも知れませんね。
まとめ
というわけで、エクオールについてでした。
・エクオールは、腸内細菌と大豆イソフラボンによって作られるもの。
・体内で作れる人と、作れない人がいる。
・健康のためにいいと、注目されている。
・一部のガンに対して、多少リスクを下げる予防効果はある。
・副作用やデメリットは、少ない。食欲低下や経血増加が報告される程度。
・エクオールは、決して万能薬ではないが、悪くはない。総合的には身体にいい。
ということですね。
エクオールに限らず「これだけで完璧に健康になれる」というような万能薬は存在しません。
過度に期待せず、試してみるのがいいでしょう。