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勝手にふるえてろ映画原作のあらすじとネタバレ!小説の名言も紹介

『勝手にふるえてろ』は、史上最年少で芥川賞を受賞した作家・綿矢りさのラブコメ小説。

2017年に松岡茉優主演での映画化決定し、注目されていますね。

ネットでは、「どんなあらすじなの?」「結末のネタバレを教えて」「原作の名言が知りたい」といった書き込みがありますね。

そこで今回は、原作を読んだ私が、あらすじを解説します。

途中までは、あらすじだけを書いていきます。(ここまで、ネタバレなしです。)
そして、途中からは、結末まで書いてしまいます。(ここから、ネタバレありです。)

「結末までは知りたくない」という方は、途中で読むのをやめてださいね。

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『勝手にふるえてろ』映画原作のあらすじ

勝手にふるえてろ映画原作のあらすじとネタバレ!小説の名言も紹介

さて、まずは『勝手にふるえてろ』の基本的なストーリーをざっと書きます。
ここは物語前半だけです。ネタバレなしですのでご安心ください。

(ちなみに、この記事の筆者の私は、過去作『インストール』『蹴りたい背中』『夢を与える』を読んでいる程度には、作者の綿矢りさが好きです。そういう人間が書いているあらすじだという前提を踏まえてお読みいただければと思います。)

『勝手にふるえてろ』のあらすじ(ネタバレなし版)

まず、『勝手にふるえてろ』のあらすじを、一言で言いましょう。

[btn class=”bg-yellow big lightning”]恋愛経験のない20代OLが、「理想の彼氏」と「現実の男」の間で揺れ動く[/btn]

これが基本的な物語の方向性です。

主人公の江藤良香は、根暗な20代のOLです。
(年齢は、原作では26歳でした。映画では24歳の設定に改変されています。)

江藤良香は、根暗で学生時代はオタクだった女子です。恋愛経験はありません。唯一の恋愛の思い出は、中学時代に心の中で「イチ」と読んでいた男子への片思いです。

中学時代の「イチ」は決してイケメンではありませんでした。モテる男子というほどでもありませんでした。

端的にいえば「いじられるタイプの男子」だったのです。ただ、主人公の江藤良香は、「イチ」のナイーブな内面と、それでもクラスメイトに打ち解けようとする微細な言動に惹かれ片思いしていました。

中学校生活の中では、3回ほど「イチ」と会話をしたのですが、それくらいしか進展せず。

で、こんな片思いの経験くらいしかない処女のまま、オタク生活をしていた江藤良香は大人になって就職します。

そして、会社にも慣れてきたある時、全然タイプではない同僚の男性から告白されるのです。

その男性の名前は、本編中でなかなか明かされません。主人公の心の中ではその弾性の名前が「イチ」と比べるように、「ニ」と呼ばれます。

「ニ」は体育会系でちょっと太った男性でした。作中の表現で言えば「できたての弁当の底みたいなほかほかしたあつくるしいオーラの男性」です。会話もあまり噛み合いません。

その「ニ」と付き合うか、主人公の江藤良香は迷います。
タイプではないけれど、初めての告白体験。また、結婚願望も持ってはいました。

しかし、「ニ」と付き合うと即決できなかった江藤良香は、中学時代以来会っていなかった「イチ」と再会してみようと思い立ちます。

「憧れだった『イチ』と会う」
そのために、偽装SNSアカウントを作って同窓会を企画します。主催者であることを隠しながら、一般参加者のふりをして、大人になった「イチ」に会いました。

そして見つけた大人の「イチ」は、今の主人公にとっても魅力的な男性でした。イメージを壊さない素敵な男性だったのです。

――さあ、主人公・江藤良香は「イチ」と接近を試みるのか「ニ」を選ぶのか?

これが、『勝手にふるえてろ』の途中までのあらすじです。

さて、いよいよここから先は、結末のネタバレになります。

「原作小説を読んでみよう」「映画を観てみよう」と決めている人は、ここまででとまっておくことを推奨します。

「ネタバレOK!」「むしろラストを教えてくれ」という方だけ、以下の広告の下までスクロールして、続きをお読みください。

『勝手にふるえてろ』の結末のネタバレ

では、ネタバレをしていきます。

再会した「イチ」は魅力的な男性でした。その「イチ」と中学時代の友達の家で集まって、食事をすることになり、主人公・江藤良香は喜びます。「ニ」と違って「イチ」とは会話も弾みました。

しかし「イチ」は江藤良香の名前を忘れてしまっていました。中学時代、全然仲良くなかったのですから当然ですが、それくらい希薄な関係だったのです。

ショックを受ける江藤良香。
「イチ」とは付き合うことはできない。いや、もし無理に押せば付き合えるかも知れないが、幸せになれる気はしないと、思い始めます。

ここでタイトルの「勝手にふるえてろ」が文中に出てきます。

もういい、思っている私に美がある。イチはしょせん、ヒトだもの。しょせん、ほ乳類だもの。私のなかで十二年間育ち続けた愛こそが美しい。イチなんか、勝手にふるえてろ。

そこでやはり「ニ」と付き合うかと思い、一度告白にOKを出しかけた江藤良香。が、ここでトラブル発生します。

女友達が、「ニ」に江藤良香のプライベートな情報を伝えていたということを知ってしまうのです。「江藤良香を口説くコツ」「江藤良香は処女」といった恥ずかしいと思っていた情報が、「ニ」に筒抜けになっていたと発覚。

女友達に悪気があったかどうかは分かりません。ですが、江藤良香はプライバシーに関わることをバラした女友達も、それを聞いていた「ニ」も信じられなくなります。

何もかも嫌になった江藤良香は、「妊娠した」と嘘を言い、会社のずる休みをします。

ただ、休んだからといって、何か目的意識があるわけでもありません。いっそ会社を辞めようか、どうしようか考えます。

すがるように母や父に電話しますが「社会人としてしっかりしなさい」と言われます。もし会社を辞めても、実家に逃げることもできなさそうな雰囲気でした。退路が立たれます。

そして、雨の中「ニ」を呼び出します。

「ニ」は硬い表情で現れました。妊娠したという嘘を本気にしていたらしいので、江藤良香は「ニ」に嘘をついたと説明。

「ニ」は「社会人のつく嘘じゃない。倫理的にも最悪だ」と怒ります。
江藤良香は謝りつつも「私のこと、処女だから好きになったんでしょ」と本音をぶつけます。

そこで初めて、2人は喧嘩をするのです。
今まで黙っていたことや、取り繕っていた本心を言い合い、反論。疲れ切りながら、2人の顔がすっきりとしていきます。

そして、「ニ」はプロポーズめいたことを発言。
江藤良香は思考の末、「ニ」と付き合ってみる決心をします。

それを江藤良香は「妥協」ではなく「挑戦」だと語ります。

「私はいままでとは違う愛のかたちを受け止めることができるのか?」と。好みではない彼氏と付き合うという「挑戦」です。

こうして「ニ」が主人公を抱き寄せたところで、「全然彼のキャラに似合わないしぐさ、でもそれは私の好きなやさしさに似ていた」という一文になり、小説は完結します。

小説の名言・名文も紹介

では、ここで原作小説『勝手にふるえてろ』の名言・名文を紹介しましょう。

というのも、綿矢りさの小説は、ストーリーというよりも文体の表現の面白さが強いのです。正直『勝手にふるえてろ』も、ストーリーだけだとありきたりな恋愛小説に過ぎません。

ですが、ドキッとしたり、笑えたり、うーんと考えさせられるような一文がたくさんあって、それが魅力なのです。

全部は紹介仕切れないのですが、いくつかピックアップします。

みんなの欲しがる気持ちが競争を生み、切磋琢磨でより質の高いものが生みだされていくのですね。でも疲れたな。まず首が疲れた。だってずっと上向いてるし。

生殖促進効のはずの恋が、逆に子孫繁栄を阻害している。私もドードーと同じく、滅びゆく種なのだろうか。

思い出はきれいなままで、なんて意識的に作為的に守りだしたとたん、演技が入る。きれいなままにしておきたいということは、実際はもうそれはきれいな思い出ではなくなったことを頭のどこかで知っているからだ。知っているのに知らないふりをするなんて、その思い出にたいして逆に失礼。だから後悔はないのだけれど、ただただ、さびしい。

なんとなく、なんて思えない。波に乗るような自然な流れで恋愛が結婚に行き着くのはあがれるけれど、私の恋心はもっとはっきりした形をしてるから、そんなふうに穏やかに処理できない。

妥協とか同情とか、そんなあきらめの漂う感情とは違う。ふりむくのは、挑戦だ。自分の愛ではなく他人の愛を信じるのは、自分への裏りではなく、挑戦だ。さあ私は、愛してもいない人を愛することができるのか? ううん違う、私はいままでとは違う愛のかたちを受けとめることはできるのか

綿矢りさの小説の主人公の特徴である、ちょっと皮肉屋で、自意識過剰で、痛々しくて、根暗で、でもとても思慮深くいキャラクター性が表れていますよね。

読んでいて胸に刺さる感じがして、毎ページ読み進めるのが快感です。
映画では、この感じをどう映像にできるかが見どころです。主演の松岡茉優さんいわく「ファニーなアレンジ」がされているそうなので、ギャグテイストが入るのでしょうか。

まとめ

というわけで『勝手にふるえてろ』のあらすじとネタバレでした。

[aside normal”]

・『勝手にふるえてろ』は恋愛経験のない20代OLが、「理想の彼氏」と「現実の男」の間で揺れ動く物語
・中学時代に片思いした「イチ」と、告白してきたタイプじゃない職場の同僚「ニ」の間で悩む
・「イチ」と再会したが、「イチ」に名前を忘れられていてショックを受ける主人公
・ラストは大喧嘩しつつ、「ニ」と付き合うという『挑戦』をする
・名言・名文が多数あり[/aside]

ストーリーのあらすじは、「へーそんな話なのね」というレベルかも知れません。
「芥川賞作家ってこんなもんなの?」なんて感想もネットにはあります。

ただ、芥川賞というのは、そもそもストーリーを評価する賞ではないのですよね。

綿矢りさが芥川賞を取ったのは『蹴りたい背中』という小説でしたが、『蹴りたい背中』も物語は高校生女子が男子とちょっと知り合う程度の話でした。

ただ、それを表現する単語、言葉遊び、セリフ、独自の視点や切り口が面白いんですよね。

映画がこうした綿矢りさの世界観を、どう表現してくるのか楽しみです。

原作は異なる結末になる可能性もありますね。映画『勝手にふるえてろ』の公開を楽しみにしましょう。

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