「たべてあげる」が話題です。
「たべてあげる」は、食べ物の好き嫌い題材にした子供向け絵本。作者名はふくべあきひろ作の大型本で、2011年から販売されています。
この「たべてあげる」が「トラウマになりそうなほど怖い」と言われる内容で注目されています。
最近は「大人向け絵本」といったジャンルもできましたが、「たべてあげる」は正真正銘の子供向けです。
普通なら、明るく楽しい内容が描かれるジャンルでしょう。それにも関わらず、容赦ない恐怖と絶望が待っているという口コミで、非常に多くの人の反響を呼んでいますね。
ネットで評判を聞きつけた方は「『たべてあげる』のあらすじが知りたい!」「主人公のりょうたくんはどうなるの?」「ラストが怖いらしいけど、結末が気になる」「ネタバレしていいから教えて欲しい!」と様々な点で興味を持っている様子。
そこで今回は、『たべてあげる』りょうたくんのラストをネタバレします。
完全に最後のオチまでを書くので、「結末まで聞いてしまってもいい」という方だけ、この先までお読みくささい。
「たべてあげる」のあらすじは?ラストまでネタバレ
さて、「たべれあげる」のあらすじを紹介していきます。
絵本は「ピーマンはいやだ」と主人公のりょうたくんが野菜の好き嫌いをするの場面からスタートします。
現実にもよくある光景ですが、その好き嫌いをする姿を、物陰からこっそり見ているなどの陰が現れます。
その陰は誰なのか? というと、それは人形のように小さい「もう一人のりょうたくん」でした。
その「もう一人のりょうたくん」は、本物のりょうたくんの前に現れ、「たべれあげる」と言います。
そうして、りょうたくんがキライな食べ物を、「もう一人のりょうたくん」が全部食べてくれたのでした。
嫌いな食べ物を残さなかったので、りょうたくんはお母さんに褒められます。
そして、まるで中毒と言わんばかりに、りょうたくんは「もう一人のりょうたくん」を頼るようになっていきます。
毎日、嫌いな食べ物を「もう一人のりょうたくん」に押し付けるようになる主人公。調子に乗って、好き嫌いを激しくして、わがままになります。
すると、です。
ある日「もう一人のりょうたくん」は、りょうたくんが好きなものまで、全部食べてしまうようになります。
好き嫌いをしない「もう一人のりょうたくん」はどんどん成長し、本物のりょうたくんよりも巨大化してしまうのです。
「いやだ」と叫ぶ主人公のりょうたくん。
それを聞いた「もう一人のりょうたくん」は「今度はりょうたくんが嫌なの?」ととぼけたことを言い、りょうたくんを食べてしまいます。
さあ、続きはどうなるのでしょう?
一般に情報サイトで書かれている展開はここまでですが、この記事ではさらにその後のりょうたくんまでネタバレしていきます。
「たべてあげる」のりょうたくんのその後と結末!
「もう一人のりょうたくん」に食べれれてしまったりょうたくん。
その後、喉を通って、胃に流し込まれていきます。
好き嫌いをしていたことを猛反省し、泣き叫びます。「もう好き嫌いしないよ!」と絶叫。
しかし、時すでに遅し。
りょうたくんは元に戻ることはできません。
もう一人のりょうたくんはお母さんに褒められ、りょうたくんの人生を取って代わってしまうことになるのでした。
これで完結です。
「え! それで終わり」という感じですが、完全なバッドエンドで終わるのですね。
「たべてあげる」への批判と絶賛
このラストについて、ネットでは批判意見と絶賛意見に分かれていますね。
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「脅してまで好き嫌いをなくすことはない」
「食べることを楽しいと感じてもらう方がいいのに、恐怖を植え付けるなんて」「母の愛を感じられなくなる」[/aside]
といった論調が批判の意見です。
一方、
[aside normal”]
「怖い物語もあっていい」
「子供は実際に好き嫌いしなくなった」
「衝撃的な物語で子供は気に入っている」[/aside]
といった肯定的な意見もありますね。
ここで気になるのが、作者がどういうつもりで書いたのかですね。
実は、作者のふくべあきひろさんは、実際にりょうたくんという息子さんがいるそうです。つまり、子供の気持ちが分からないのではなく、分かっていて怖い物語にしたようです。
子どもには、怖いものが必要だと思っています。自分の理解を超えた、恐ろしい存在がいた方がまっすぐに育つのではないかと思っています
こうコメントしている、ふくべあきひろさん。
これが「たべてあげる」のテーマでもあるのかも知れません。
つまり、「好き嫌いの教育」だとして読むと、「たべてあげる」のラストはやり過ぎかも知れません。
しかし「世の中には怖いものがある」という教育本として読めば、いい絵本なのではないでしょうか。
たべてあげるの怖い結末 まとめ
というわけで「たべてあげる」についてでした。
・好き嫌いする主人公・りょうたくん
・「もう一人りょうたくん」が嫌いなモノを食べてくれる
・りょうたくんは喜んで調子に乗る
・「もう一人のりょうたくん」が巨大化し、りょうたくんを食べる
・お母さんは「もう一人のりょうたくん」を褒める
・りょうたくんは泣き叫ぶが、食べられてしまって終わり
といった展開がおおまかなストーリーですね。
世にも奇妙な物語などのようなホラー展開ですので、ただ読むとたしかにトラウマものかも知れません。
ただ、こういう本で恐怖を子供に感じてもらいつつ、「お父さんやお母さんは、こんなふうにあなたを裏切ったりしないからね」とちゃんと伝えて抱きしめてあげれば、恐怖も愛も感じ取って、すくすく育つのではないでしょうか。