ハリーポッターにおいて最強最悪の敵、ヴォルデモート卿。
あのヴォルデモートは一体どのように誕生したのか、気になりませんか?
初めから悪だったのでしょうか?
それとも…何かが彼を変えてしまったんでしょうか?
今回は超重要人物であるヴォルデモート卿の過去を辿っていきましょう。彼の子供時代や生い立ち、そしてヴォルデモート卿の誕生についてご紹介します。
ヴォルデモート卿とは
主人公ハリーにとっての宿敵、それがヴォルデモート卿。
本名はトム・マールヴォロ・リドルといいます。映画でも「トム・リドル」とよく名前が出てきますよね。
後にヴォルデモート卿となる半純血の魔法使いで、史上もっとも強力かつ危険な闇の魔法使いとされる人物です。
ヴォルデモート卿はマグルの父親トム・リドル・シニアと魔女の母親メローピー・ゴーントの間に生まれました。
異常なまでの「純血主義者」で、マグル出身者の排除を目論んでいます。
イギリスの魔法界を混乱に陥れると、多くの魔法使いは恐怖のあまり「ヴォルデモート」の名を口に出すことさえ恐れるようになりました。
かつてハリーの家を襲撃の際、赤ん坊のハリーを殺そうとしましたが、母リリー・ポッターの愛の力によって失敗し、肉体と力を失ってしまったヴォルデモート卿。
そのため自身の復活を目論んで暗躍し、炎のゴブレットで復活してからは自らの最強を証明すべく、力を失った原因であるハリーを執拗に付け狙っています。
ですがダンブルドアのことは恐れているので、ホグワーツ魔法魔術学校には手出しできずにいました。
このように極悪非道なヴォルデモート卿ですが、どんな過去を経てこのようになってしまったのでしょうか。
ヴォルデモート卿の両親や子供時代について
ヴォルデモート卿の子供時代なんて、想像がつきませんよね。ですがヴォルデモート卿については彼の子供時代や両親の話をなくしては語れません。
ヴォルデモート卿を名乗る前、トム・リドルは臨月の母メローピー・ゴーントが飛び込んだロンドンのウール孤児院で生まれました。
母親は彼が生まれたあとに亡くなってしまいます。
死の直前、彼女は夫トム・リドル・シニアと父親マールヴォロ・ゴーントにちなんで彼のことをトム・マールヴォロ・リドルと名付けました。
子供時代は両親からも孤児院の人達からも、愛情というものを受けずに育っていったトム・リドル。
孤児院での彼は冷めたような目をした子供で、他の子達からいじめを受けていました。
しかし自分は凄い能力を使える特別な存在だと思い、皆を見下していたのです。
やられれば倍にしてやり返す、自分の思い通りにならなければ気が済まないといった性格はこの頃からすでに出来上がっていました。
父や親族とは音信不通であり、産まれる前から父に棄てられ、母にも「見捨てられた」と感じていたトム・リドル。
孤児院のマグルの職員達は彼の母親について何も知らず、ミセス・コールは彼女をサーカス団員だと思っていたほどで、魔法の知識もありませんでした。
そのためトム・リドルは両親について何も知りませんでしたが、同年代の魔法族の子供よりも早く自分の能力に気付き、目覚めていきます。
やがて孤児院にアルバス・ダンブルドアが現れ、彼をホグワーツ魔法魔術学校へと入学させたのです。
ヴォルデモート卿の誕生について
ダンブルドアは初めてトム・リドルに会った際、魔法が使えるなら証明しろと言われ、箪笥を燃やして見せます。
この時からダンブルドアはトム・リドルの孤独院での悪い行動や根本にある闇を少し感じていたのではないかと思います。
ホグワーツ入学後はスリザリンに組分けされ、自分のことを「貧しいが優秀な生徒。孤児だが勇敢そのものの監督生で模範生」と表現しました。
彼は桁外れの演技力によって教師達を騙し、自分を見た目通りの優秀な生徒だと思わせていきます。
しかし唯一、ダンブルドアは彼を信用していませんでした。
孤児院での悪行や初対面時の悪意を覚えていたので、悪の道に行かないように監視していたのです。
そのため、トム・リドルはダンブルドアを恐れ嫌うようになります。
それからトム・リドルはスリザリンの生徒を集めて一団を結成し、彼らは後に死喰い人と呼ばれるようになっていったのです。
彼らを友人と言い、周りにもそのように見せていましたが、実際は召使のように操り犯罪や悪事を行い、決して本人が追及を受けることはありませんでした。
そして彼は「汚らわしいマグルの名前」を嫌い、「トム・マールヴォロ・リドル(Tom Marvolo Riddle)」を並べ替えました。
「私はヴォルデモート卿だ(I am Lord Voldemort)」となることから、「ヴォルデモート卿」と名乗り始めたのです。
ついに、ヴォルデモート卿の誕生です。
在学中、母の実家で伯父モーフィン・ゴーントと対面し、マグルの父が「魔法使いの中でも特別」だった母を棄てたことを知ったトム・リドル。
母の復讐として、また自分に相応しくない血筋の抹殺として、父と父方の祖父母を殺害し、その罪をモーフィンに着せました。
この時には、すでに分霊箱のことを知っていて、ヴォルデモートは家宝である指輪をモーフィンから奪い、ホグワーツでトロフィーのようにつけていました。
そうして、次々と殺人を繰り返し、手頃なサイズの物を奪い、分霊箱に変えていったのです。
ヴォルデモートは10年にも渡って姿を隠し、黒い噂の絶えない者達を伴って広範囲な旅を続けます。
度重なる魂の分裂によりハンサムさは消え、この頃にはまるで蛇のような顔付きになってしまいました。
ハリーの家を襲撃した際には自分でも気が付かないうちにハリーの魂に分霊箱を作ってしまい、ヴォルデモート自体の魂は多数の分霊箱作製により大人の姿を維持できないほどに損なわれてしまいました。
だからあのような顔つきになっているのですね。
肉体と魔力を失い、ゴーストのような状態でさまよい、復活の時を待っていたのです。
ヴォルデモート卿は母親に対して特別な思いを抱いている節がありましたが、同時に「特別」であった母でも克服できなかった「死」を異常に恐れていました。
死を避けることと、他者にない特別性を得ることを求めた結果、闇の魔術である分霊箱に辿り着き、死を制し世界を制するものへの欲求を満たそうとしたのです。
ヴォルデモート卿と主人公のハリーは、幼い頃から同じ境遇にあったはずです。
幼い頃に両親はいなくなり、預けられた先はあまり良いといえる環境ではなく…
いじめを受け、愛情というものを受けずに育ったにも関わらず、二人には雲泥の差が現れてしまいました。
何が明暗を分けたのでしょうか?
ヴォルデモートは産まれたすぐ後に母親が亡くなってしまって全く愛情を受けなかったから?
ハリーは一歳まで両親の愛情を受けて育ったから?
それともハリーの両親と違い、ヴォルデモートの両親が愛し合って結婚しなかったから?
色々な憶測が湧いてきますが…
きっと、愛という目に見えないものにふれていなくても、自分の中で些細な出来事でも幸せに変えられるようなピュアな心の違いが二人の違いなのではないかと思いました。
ハリーは辛いことがあっても誕生日を一人でお祝いしたりと楽しいことを見つけられる。
ヴォルデモートは嫌なことをされれば、耐えることはせず、復讐という楽しみを見つけてしまったのですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はヴォルデモート卿の過去や生い立ちについてご紹介しました。
簡単にまとめると、
・ヴォルデモート卿はマグルの父親と魔女の母親の間に生まれた半純血の魔法使い
・異常なまでの純血主義者でマグル出身者の排除を目論んでいた
・ダンブルドアはトム・リドル監視のために彼をホグワーツへ入学させたが、彼はそこで死喰い人の集団を作り闇の世界にのめり込んでいった
・「汚らわしいマグルの名前」を嫌い、「トム・マールヴォロ・リドル(Tom Marvolo Riddle)」を並べ替えてヴォルデモート卿と名乗るようになった
ということですね。
彼が自分の能力を正しいことに使うことができていれば闇の帝王にならずとも済んだはずですが、心の闇を克服することはできませんでした。
ヴォルデモート卿がいなければハリー・ポッターの物語は成り立ちませんが、彼の悲しい過去を知るとまた作品の見方が変わってきそうですね。